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PLC(高速電力線通信)にもの申す

2007/04/30 (月曜日) 21:12  投稿者 :はむ!

 しかし、まあ、なんですな。インターネット生活もかれこれ10年くらいになるわけだが、10年くらい前を思い起こすと、 一般の電話回線に接続して、時々途切れながら、遅い回線でのんびり、それでも一生懸命ネットをやっていたものだ。 夜11時以降のテレホタイムなどは接続自体がままならなかったり・・、(え?今でもそれでネットやってますって?これまたシツレイしました。 )、ま、思い出に浸るのは別の機会にするとして・・。

 その後、ネット接続環境はISDNからADSLへ、そして光ファイバーへ(ウチはまだ)・・一方では、無線LANとか、 携帯も第3世代となったりとか、ブロードバンドという言葉自体がもう古くなってきているほど高速化している。しかし、逆に、 そういった環境が整ってない場所とはどんどん格差が広がっている。そこで、最近静かに注目されているのが、PLC(高速電力線通信)だ。 最近日本でもアダプターが各メーカーから発売された。PLCとは、説明すれば長くなるのだが、簡単に言えば、 通常の電力線の配線にネット回線を乗せたもので、いつも使ってる電源コンセントにつなぐだけで高速インターネットができる画期的な技術だ。・ ・・とここまで読んだところで、どう感じるかは人によると思うが、もし、「こんなこと書いてバカじゃねぇの?」と思った人がいれば、 その人は安心だ。PLCについてちゃんと理解している人か、ネットに全く興味のない人のどちらかであるからだ。しかし、「わぁ、すごい。 電源コンセントにつなぐだけで高速ネットできるなんてすばらしい。ウチにもPLCの回線が来ればいいなぁ。」とか思った人がいれば、 その人は心配だ。

 そもそも、現在、日本では、PLCは屋内でLANとしてしか使えない。ネット接続をするには結局家の中までは回線を別に引いて、 ちゃんとプロバイダ契約も別にしなければならない。つまりADSLや光の代わりにはならないのだ。 だから格差解消にも何も役立つものではない。まず、そこのところを勘違いして(というか、させられて)、いて、 PLCが新しく便利なネット接続の方法だと思っている人が多い(インプレスのアンケートでもそのような結果が出ている) 。そして、自分が特に問題にしたいのは、PLCの技術は現在のところまだ未完成で、PLCの出すノイズにより、 他の電化製品に悪影響を与える。いきなり電灯がついたり消えたりすることもあるだろう。ことさら、ラジオ(特に短波)にあっては、 ノイズが妨害電波となって、ほとんど使えなくなる状況となり、ラジオ愛好家や、アマチュア無線家のみならず、防災上も問題が大きい。 さらには医療機器などにも影響がある。(携帯の影響などとはレベルが全然違う)いや、それでも、技術的に向上しており、 家庭レベルでは問題はないという意見もあるかもしれない。しかし、 ノイズの影響は10m以上に及ぶということでウチのような集合住宅の近所で、もしPLCを使ってる人がいれば、必ず影響が出てくる。 元BCL少年のはむ!としては(←このことについてもまた別の機会に・・)ゆゆしき問題だ。

 それでも、このような問題の多い技術を広めようとしているのには、いろいろ理由があるんだろうし、 今後技術は向上してくのだろうから、PLCを完全否定することは避けたいけれど、一般に間違った理解をされたまま広まるのも良くないので、 (蚊の鳴き声ほどの小さな声ではあるが)一応問題提起だけはしておきたいと思う。

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