はむ徒然ペンペン草特集 第2集 

’99年8月,私は北海道出張のついでに,足を伸ばして道東をひとりドライブしました。
そのときの旅行記を写真エッセイ風にまとめてみました。
たわいもないページですが,暇つぶしにでも眺めてやってください。
 

月曜日から小樽で仕事のため,その前日の土・日を利用して,車を借りて,まだ行ってない道東地域を回った。
  21日(土) 女満別→網走→知床→釧路
  22日(日) 釧路→根室→摩周湖→屈斜路湖→釧路→(夜行で)→札幌
  23日以降 小樽でみっちり仕事 

1 暑い北海道

 女満別空港から網走へと向かう。
 北海道だというのにめちゃくちゃ暑い。真夏の太陽が降り注ぐ。
 なんでも,後で新聞を見るとこの地域の最高気温は34.9℃・・・
 東京が32.1℃だったから東京より暑かった。天気予報では雨だと心配してただけによかった
 涼しいと思って長袖を着ていったが,半袖に着替えた。


網走監獄・・博物館になってます。体験入獄もできる(笑)
       右の写真は蝋人形です。


オホーツク流氷記念館・・−20℃の体験ができます。外に出れば眼鏡が曇る。
(可愛いクリオネがいて写真を写したかったのだが,だめと言われてしまった・・・)

2 美しいオホーツク 

 オホーツク海は流氷の海ということで寒々しい鉛色を想像していたが,その予想は全く違った。
 空の色が溶け込んだ,絵の具で書いたような濃い青色の美しい海だった。
 3ヶ月前に沖縄で見た海がエメラルドグリーンならば,オホーツクの海はサファイアブルーと言ったところか。


左・・天都山から見た網走市内とオホーツク海 右・・小清水原生花園付近から見たオホーツク海
   (ここが冬には流氷の海と化するのか・・ちょっと想像ができないなぁ)

3 知床半島

 快晴のオホーツクに別れを告げ,知床半島へさしかかる。
 ウトロから羅臼の街へと向かう知床峠にさしかかると,いきなり霧が立ちこめてきた。
 峠を越えた知床の東海岸の小さな港町羅臼はひっそりとしていた。そして,街中にカモメが行き交う。
 まだ太陽は高い位置なのに少し薄暗い感じがして,なぜだか,もの悲しい雰囲気だ。
 そして,根室海峡の海が現れ,対岸20キロの距離にある国後(クナシリ)島がはっきりと見えた。


海の向こうに,うっすらと見える山並みが国後島。写真で見るより実際で見た方が近くに見える。
そこには今ロシア人が住んでいるとはちょっと想像がつかない。

4 秘境

 国後の島影を見ながら,知床半島の東海岸を北へと走る。
 カモメの数は更に増えていく感じ。カモメは見えない国境(本当は国境ではないけれど・・・)を自由に行き交う。
 北方領土はあまりにも静かで,ここに国際問題が存在するとはちょっと想像しにくい・・・。
 道は半島の途中で行き止まりとなっていた。岬まで行く手段はないらしい。
 ここから先は人が踏み入れなることのない原野だ。
 行き止まり近くの小さな路側帯で女性ライダーがひとり海を見つめて物思いに耽っている姿が印象的だった。


知床半島の先の小さな海中温泉(セセキ温泉)。潮が引いてる時(昼間の1〜2時間)だけ,入れるらしい。
国後島も見れるし,ここは秘湯だ。(ちなみに脱衣所も何にもない)
手を入れてみたら確かに温かい。でも,行った時は,波が高くて入れる状況ではなかったのが残念。

5 夜の大草原

 自由な日は2日しかないのに知床でゆっくりしすぎた。今度来るときはもっとゆっくり来たいな。
 今日中に150キロ離れた釧路まで行かなければならない。
 標津から釧路への根釧台地を急ぐ。どっぶりと日は暮れてしまった。
 真っ暗の中,どこまでもまっすぐな道,あたりに家の明かりも全くない。
 そして悪いことに霧が立ちこめてきた。10メートル先も見えない。
 運転歴は15年以上になるが,今までこんなに運転が不安になったことはない。
 そして,肝を冷やしたのは,路肩で急に物陰が動いた・・。車が45度傾くくらいの急ブレーキ・・・
 見るとなんと・・・乳牛だった。柵の向こう側にいたのが,近くに見えた錯覚だった。こわかったー

 景色を表現したいのだが,このときは写真をうつせる状況ではなかったので・・・(苦笑)

6 釧路,霧中の夜

 21時ころ,やっとの思いで釧路に着いた。
 釧路の街は霧に包まれていた。目が悪くなったようにすべてがぼやけて見える。
 ここまでして,釧路に戻ってきたのは,当初人と会うつもりで釧路に宿を取っていたからなのだ。
 (結局,先方の都合が悪くて会えなかった・・)
 宿に荷物を置いて,飯を食いに夜の釧路の街へと出かけた。
 10万以上の人口がある割には,繁華街はひっそりとしている。
 しかし,いつも思うのだが・・ひとり旅のつらいところは,地元のうまいものを食いたくてもを一人で入れる店が少ないってこと・・
 小さな食堂で,それでも千円のウニ丼(結構うまかった)を食って,辺りを散歩して。23時には床に就いた。 


たどり着いた釧路の街,カメラがぼやけてるのではなくて,霧がかかってるのだ。
(フラッシュをたくと,霧粒が写って何も見えなくなってしまうので,フラッシュを消して写した。)


夜の釧路,釧路川と幣舞(ぬさまい)橋。ライトアップされていて美しい風景だった。
川沿いの炉端焼き屋は一度行ってみたいところ。

7 霧多布

 翌朝,早く出るつもりだったが,日頃の疲れが出たせいか,ゆっくり寝てしまった。
 どこへ行くか迷ったが,もう一度東へと車を走らせ,根室の方へ向かうことにした。
 釧路から根室にかけては,特に大平原をまっすぐに走る道だった。
 しかし,霧がどんどん立ちこめていく。視界は5メートルという感じだった。
 これでは,景色を楽しんでる場合ではないなー。
 道中の霧多布(きりたっぷ)湿原もその名のとおり,霧ばっかりでほとんど何も見えなかった。


左:霧に包まれたどこまでもまっすぐな道路,この中を走っていたのだ・・
右:霧多布湿原の琵琶瀬展望台,近くのハマナスと馬
  ハマナスの花は1ヶ月ほど季節が遅かったみたいで,自生のものを見ることはほとんどできなかった。
  しかし,ハマナスをいいアングルで写そうとポーズを付けようとしたら,棘がささった・・美しい花には棘がある。

 8 ノサップ岬

 釧路から130キロ,昼過ぎに根室の街を過ぎた,最果ての街は意外と活気があった。
 そして,原生花園の中を通って北海道最東端のノサップ(納沙布)岬へと向かった。
 しかし,根室の市街地で一旦晴れた霧が,再び立ちこめてきて,
 たった3キロ先にある北方領土歯舞(はぼまい)諸島を見ることはできなかった。
 岬に立ってた日の丸と,「島は奪われた」と書かれたロシア兵の絵をかたどった看板だけが緊張感を表していたが,
 それ以外は平和な風景であった。


左:海に面して立っている四島(しま)の架け橋。真中の台に平和の炎がともっている。
右:ノサップ岬(灯台は霧のためかすむ)と岬に立つ日の丸・・この向こうたった3キロに北方領土がある。

 9 摩周湖と屈斜路湖

 根室を離れもう一度西へ100キロ,摩周湖と屈斜路湖のある弟子屈(てしかが)方面へ向かった。
 ここまでは,人が少なくて,もの悲しい場所ばかりであったが,
 摩周湖や屈斜路(くっしゃろ)湖はさすが観光地,人も車も多い。
 摩周湖の駐車場はきっちり料金を請求され,おみやげ屋では人がいっぱい
 これじゃ,東京近郊の観光地と変わらない・・ちょっと興ざめかな
 阿寒湖にも行くつもりだったが,時間がなかったせいもあり,無理に行こうと思わなくなってしまった。
 こういう観光地に行くのはひとり旅ではないほうが楽しいということがわかったから・・。


左:霧の摩周湖と言うだけあって,摩周湖は期待通り(?)霧に包まれ何も見えなかった。
  駐車場代をとられた上でこれだからねぇ・・(笑)
右:硫黄山・・確かに硫黄のにおいがした。


屈斜路湖に面するコタン温泉。入泉無料だ。一応脱衣所だけ男女に分かれているが,混浴
しかし,水着は忘れずに・・・

 10 短い旅の終わり

 わずか,2日間のひとり旅は終わり,翌日から仕事のため,釧路から夜行で札幌へと向かった。
 心洗われる旅であったが,思い残すことも多い旅,また来ると心に決めて釧路をあとにした。
 次は一人じゃなくてね・・・・

(思い残したこと)
 ・結局温泉に一度も入れなかった。
 ・友人に会えなかった。
 ・霧で何も見えなかったことが多かった。
  (ノサップ岬,霧多布湿原,摩周湖など)

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