このページはhamuの職場提出用の出張報告をWeb公開用に再編集したものです。
一般の方にはあまり面白いものではないですが,写真等で米国の大学の雰囲気についてお楽しみください。
なお,今後推敲により一部修文する場合がありますので,お含み置きください。

1 ハーバード大学
2 ルイジアナ州立大学
3 ジョージタウン大学

1 ハーバード大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)Harvard uv.

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1:ハーバードヤード 2:体育館 3,4:図書館 5,6:学生会館 7,8:正門

【沿革】
 1636年にアメリカ最古の大学としてボストン郊外のケンブリッジに設立された。その2年後この大学の創設に最も理解のあったジョン・ハーバードの遺産によって大学が整備され、学校名もここから名付けられたものである。J.F.ケネディなど6人の大統領、30人以上のノーベル賞受賞者を輩出。日本人では2000年6月に大江健三郎,小沢征爾に名誉博士号を授与。
【設置形態】 
  私立
【組織】
 (学部数)10
 (施設職員数)約500人
 (学生及び研究者数)約18500人(うち留学生約3000人)
【財政負担】
 年間約18億ドル。内訳は授業料、寄付金、寄付金の投資利子、連邦・州からの補助 がそれぞれ約1/4の割合
 施設費は5〜10年計画で約21億ドル
【意思決定機関】
 学部にゆだねられており、調整を中央運営部で行う。
【施設】
 約380エーカー(約154万u)の広大なキャンパス内に約400の建物(校舎、図書館、研究所、博物館、教会、学生寮等)があり、中には18世紀に建てられ、200年以上経過している建物も数多くある。
【維持保全】
 Break down(壊れたら直す)という考え方であり、建物に対しての寿命というような考え方は持っていない。基本的に毎年建物の価値に対し2%のメンテナンス費用を計上、平均25年で大規模改修(屋根、配線、窓の改修等)を行う。

(ハーバード大学聴取内容)
 ピーター・ライリー氏 ファシリティプランニングの責任者、全体の組織担当
 マイケル・リッツマン氏 アート&サイエンスの担当

・施設整備を行う組織
 中央運営部において、暖房、水道などの調整。
 施設整備は学部など10の組織があり、各学部ごとに独立採算をとっている。
 各学部同士は干渉しない。中央運営部は各部間の調整を行っている。
 多くの場合自前で整備を行っている。
・中長期計画
 5カ年計画(毎年見直しを行う)が各デパートメントから出るので、それを中央に集めて承認を得るというイメージ
 5〜10年で21億ドルくらいの計画を立てる。実際はその60%くらいである。 
・建物の取り壊しに関して
 基準などはなく、建物の価値に対して毎年2%のメンテナンス費用を計上し、建物の維持を行っている。
・建物の維持に関して
 一つの建物は約50年の寿命と考えている。基本的には平均25年で大規模改修を行う。なお、耐震基準については、地震が少ないものの、州で基準を決めており、これに従っている。
・研究室等の面積の基準
 基準はない。研究分野やグループによりサイズが違い、概ね3000〜6000平方フィート(270〜540u)。
 学部内で部屋の使用方法について調整する。
・研究費によるスペースの変化
 研究に対する人数がどれくらい必要かということを、長期の計画であらかじめ決める。研究費用による面積の変化はない。
・建物に対する経費の調達について
 歳入は授業料、寄付金、投資、州からの補助がそれぞれ4分の1の割合。
 建物に関しては学費から徴収するということはほとんどない。建物を建てるためには、助成金の一部から払うこと(オーバーヘッド)や、 企業などからの寄付建物が多い。

ハーバード大学のWebページhttp://www.hno.harvard.edu/

2 ルイジアナ州立大学(ルイジアナ州バトンルージュ) Louisiana State uv.(LSU)

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1:留学生センター内部 2〜3:教育関係学部棟 4:科学関係学部棟 5:ビジネス関係学部棟 7:ファシリティセンター 8:シンボル塔(教会)

【沿革】
 1860年に設立された。1870年にルイジアナ州の州都バトンルージュに学校を移転し、ルイジアナ州立大学と改名され、1920年代に多くの建物が建設され、現在の形となっている。
【設置形態】 
  州立
【組織】
 (学部数)17
 (施設職員数)約500人 (教職員数)約6000人
 (学生数)約31000人
【財政負担】
 年間約2.5億ドル。内訳は州からの予算が50%強、学生の授業料が35%
 施設費は約1.1億ドル
【意思決定機関】
 理事会で決定する。
 (施設に関して)中央のファシリティーサービスで域内の施設をすべて管理している。各学部からの要望もすべてファシリティーサービスで調整している。
【施設】
 約1700エーカー(約688万u)の非常に広大なキャンパス内に約468の建物(校舎、図書館、研究所、学生寮のほかキャンパス内に供給する発電所や自動車修理工場、スタジアム、域内の警察署など)がある。建物のほとんどは1920〜30年代に建築されたものである。
【維持保全】
 建物の寿命は約50〜100年と考えている。州から年間約650万ドルのメンテナンス費用を受け小さな改造はしばしば行っている。
 10万ドルを超えるような改築は、計画を立てて州や大学の基金に申請を行うっている。

(ルイジアナ州立大学聴取内容)
 ハロルド・レイダー氏 ファシリティサービス担当
 ほか、ファシリティサービス及びファシリティーデベロップメント担当3名

・施設整備を行う組織
 大学内のすべての管理はファシリティサービス(施設運営会社のようなもの)で行っている。
 さらに4つの組織に別れる。
  ファシリティデベロップメント・・・キャンパスの長期計画等
  ファシリティメンテナンス・・・建物の整備、清掃等
  エナジーサービス・・・キャンパス内の発電、電源供給等
  リソースサービス・・・カスタマーサービス、学部間調整等
 各学部からファシリティサービスに要望。小さいものは学部でも対処できる。
 10万ドル以下のものはほとんど自前で行っている。
・中長期計画
 大きな改築計画(10万ドルを超えるもの)は、長期計画を練り、州などに基金の申請。その他メンテナンスに相当の費用がかかる。 
・建物の取り壊し、維持に関して
 建物の寿命は50〜100年と見積もっているが、修理などにより、それ以上に維持できるものは維持する。
 地震はないが、低湿地帯で地盤がゆるいこともあり、基礎工事に費用がかかる。
・研究室等の面積の基準
 最小の単位を、概ね1200平方フィート(約110u)として、必要に応じてその倍数にするなどして、基準を決めている。
 ある一定の倍数にすることにより、効率化が図られコストの縮減に役立つ。
・研究費によるスペースの変化
 カーネギー財団の格付けを受けていて、基金を申請しておろしてもらっている。基金に一般管理費を含めることが可能である。研究室は主に、教室用、コンピュータ用、リサーチ用の3種類に分かれる。
・建物に対する経費の調達について
 基本的に州の予算に組み込まれていて、特別の場合に州に申請するというしくみ。
 建物に関しては学費から徴収するということはなく、駐車場の使用料をとる程度である。

ルイジアナ州立大学のWebページhttp://www.lsu.edu/

3 ジョージタウン大学(ワシントンDC) Georgetown uv.

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1:シンボルのHeaky Building 2,3:屋根の全面が太陽光発電のインターカルチャーセンター 4:造成中の学生会館予定地 5:校舎 6,7サイエンス棟校舎 8:教育センター 9:サイエンス棟の改修(リノベーション) 10〜12:実験室 13:研究室 14:図書室 

【沿革】
 1789年にカトリック系の大学として設立、当初からワシントンDC北西部のジョージタウンにあり、設立当初の建物がキャンパス内にある。
【設置形態】 
  私立
【組織】
 (学部数)2
 (施設職員数)約220人(メンテナンスを含む)
 (学生及び研究者数)約12000人
【財政負担】
 ほとんどが寄付金からまかなわれる。学費からは間接費としてとっている。
【意思決定機関】
 委員会
 (施設について)施設部局で調整を行っている。
【施設】
 約41万uの米国の大学としては狭いメインキャンパス、メディカルスクール、ロースクール内に数十の建物(校舎、図書館、教会、学生寮等)があり、1800年代に順次建てられたものが多い。現在、10年計画で新しい学生寮、レジデンス等を建設中である。特筆としては、1982年にプロジェクトとして建設された300Kw/hの出力を得ることができる太陽光発電の建物(インターカルチャーセンター)がある。
【維持保全】
 基本的に建物を壊すという考えはなく、壊すとしても市の許可が必要で、基本的にはメンテナンスを中心に行っている。狭いキャンパスの中で調整をしながら順次改修を行っている。古い建物が多く、改修に非常に金がかかっている。

(ジョージタウン大学聴取内容)
 アレン・ブラングマン氏  建築計画・設計担当部長
 カレン・フランク氏(女性) 建築及び寄宿舎担当部長
 ほか、建築計画、マネジメント、エネルギー保全担当など計7名

・施設整備を行う組織
 大学内の施設は建築部門の部局とメンテナンス部門の部局で行っている。
 建築部門の部局では、キャンパスの計画、建物の整備、マネジメント等を行っている。
 修繕などはメンテナンス部門で行っている。
・中長期計画
 狭いキャンパスの中で工夫をして、キャンパスの整備を行っている。現在10年計画で学生寮や大学病院の整備を進めているところである。ワシントンDCの場合は建築に対する制限も厳しく、まわりの環境に配慮しつつ、必ず10年単位で計画を立てて行う。
・建物の取り壊しに関して
 取り壊しをするという考え方はない。また市の許可がないと取り壊しはできない。このため古い建物でも修繕をして使用する。
・ 、建物の維持に関して
 15年〜20年の単位で改修を行い、建物を永久的に使うようにする。狭いキャンパスのため、使いながら改修ということが多い。特に古い建物はメンテナンスにも費用がかかる。また、コンピュータなどの要請に対応(たとえば電気室の設置等)もスペースの都合と、古い建物を改修するということで遅れている状況である。
・研究室等の面積。
 面積の基準は特にない。
・建物に対する経費の調達について
 補助金等はプロジェクト(太陽光発電等)に対して以外には出ていない。
 学生からは施設費という名目では徴収していないが、必要に応じて授業料から間接費として財政部門に請求する。
 その他は寄付に頼るところが大きく、寄付依頼専門のスタッフが全米各地にいる。

ジョージタウン大学のWebページhttp://www.georgetown.edu/

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